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BMWエマージェンシーの驚くべき対応


 エマージェンシー(Emergency)とは緊急とか非常事態という意味である。
BMW(ビー・エム・ダブリュー)には緊急時に連絡できる専用のフリーダイヤルがある。
トヨタなどにもこうしたサービスがあるようだが、クラウン等には乗ったことがないので詳しくは知らない。
JAFにも長年入っているが、利用したのはバッテリー切れぐらいしかない。
だからエマージェンシーなど関係ないと思っていた。

 ところが、関係ないと思っていたエマージェンシーのお世話になることに。
5月28日、中国自動車道を広島から福岡に向かって走っていた時のことだ。
時間は12時半頃。
吉和SAを過ぎた頃、激しい雨に見舞われていた。
フロントガラスに降り注ぐ雨が下から上に流れていくのを見ながら、あることに気づいた。
ワイパーが動いてないのだ。
吉和SAで休憩した時までは動いていたから、その後動かなくなったに違いない。
だが、豪雨に近い雨の中を高速走行していたので、多少前が見えずらいという意識はあったが、ワイパーが動いてないことには気付かなかった。

 雨の中、高速道路上で停車するのは危険なのでなんとか朝倉PAまで走り、そこから福岡のヤナセバイエルンモーターズに電話。
するとワイパーなしの雨中走行は危険だから停車して、BMWエマージェンシーに電話してくれと言われ、電話番号を教えてくれたので早速電話した。
電話口の担当者はすぐ近くのディーラーに連絡を取り、折り返しディーラーから電話させるのでしばらく待つようにとのことだった。

 さすがにBMWのエマージェンシーサービス、対応はいいなと思いながら、自販機とトイレ以外なにもないパーキングエリアで15分待った。
ところが電話は一向にかかってこない。
いくらなんでも遅い。
再度エマージェンシーに電話する。
今度は別の担当者が電話口に出た。
再び事情を説明する。
前回と同じように「ディーラーから電話させる」と言う。
そして数分後、電話があったが、ディーラーからではなく、エマージェンシーの先程の担当者からだった。
「ディーラーの回線が混んでおり、連絡がつかないのでもうしばらくお待ちください」
やむなくまた10分待つ。

 ディーラーの回線が混んでいるというのはおかしな話だ。
仮に話し中でもこんなに待たされることはないはず、と訝りつつ、朝倉PAが島根県だということに気付いた。
中国自動車道は広島県、島根県の一部、山口県を通っているのだ。
島根県のディーラーより山口県のディーラーのほうが来やすいのではないかと思い、次の鹿野SAまで雨中を走行することにした。
同じ待つにしてもPAはコーヒーを飲む場所もないが、鹿野SAならレストランもあるからだ。
第一、昼食もまだだった。

 そこで走行に注意しながら鹿野SAまで移動し、そこからエマージェンシーに電話して、山口県の鹿野SAにいると伝える。
 今度はすぐ連絡が来て、そちらにレッカー車が向かっているので20分程度で現地に着くとのこと。
察するに島根県のディーラーは定休日だったに違いない。
山口県に移動してよかった、と思った。

 こうした対応のまずさはあったものの、まだBMWエマージェンシーに対する不信はなかった。
ところが問題はそれからだ。
レッカー車を向かわせたという電話口でエマージェンシーの担当者が「ディーラーで預かり修理になると思います。すでにレンタカーをディーラーに用意しているので、そのレンタカーに乗って福岡まで帰って下さい。修理が終わると車は福岡のお買い上げディーラーまで届けますので、レンタカーは福岡のディーラーまで乗って行って、そこで車と交換してください。レンタカーは3日後に返却をお願いします」との説明を受けた。

 もしかするとその場で修理できるのではという期待は裏切られ、ディーラーで部品交換が必要と伝えらる。
そこから用意されたレンタカー(ホンダのインサイト)に乗り、福岡まで帰る。
レンタカーは3日後に返却してくれと言っていたので、3日後には修理が終わっているのだろうと考え、30日(月)に山口のディーラーに電話。
すると修理は終わったが、後の手配はエマージェンシーの方がするとのこと。

 翌日、ヤナセバイエルンモーターズに車を受け取りに行こうと電話すると、エマージェンシーからは6月4日に届くと連絡が入っているという。
山口のディーラーは30日に修理が終わっていると言っているのに、なぜ4日にしか車が届かないのか。
そんなバカな話はない、と、エマージェンシーに直接電話をして問い質す。
するとレッカー車の手配が最短で4日になると言う。
では、レンタカーを3日後に返却してくれといったのはどういう意味なのか、修理が3日で終わるということではないのか、その時点でレッカー車の手配もしておくのが普通だろう、と問い質す。

 その後、担当者の口から出てきたのは驚くべき言葉だった。
「レンタカーは3日で返してもらうことになっている。オーバー分はお客様の方で負担してくれ」

 なんということ!
これがBMWエマージェンシーの言葉なのだ。
そんなことなら最初からJAFに頼んでいた。

 エマージェンシーの決定的な間違いは、最初の段階でシステムの詳しい説明を客にしてないことだ。
レンタカーの契約は3日までで、それ以降は延長料がかかり、客負担になる、ということを最初の電話口できちんと説明しなければならない。
そういうことが行われておれば、レンタカーは3日後を待たず、福岡のディーラーに乗って行き、ディーラーから代車を借りれば済む話だ。

 あまりの言い草に烈火のごとく怒ったが、最近の若い担当者は同じことを繰り返し言うだけで、それ以上の進展はない。
どんなにディーラーが良くても、頑張っていても、BMWジャパンの対応がこれでは、「やはり輸入車は」ということになるだろう。

 結局、やり取りの末、レンタカーの延長料の負担はディーラにするよう、エマージェンシーから伝えることだけ相手は納得した。
 ディーラーの1年保証の期間内というか購入後1カ月足らずなので、それは当然なのだが、腹立たしいのはエマージェンシーの対応だ。

 ヤナセバイエルンモーターズに上記やり取りを伝え、明日、山口まで自分で車を取りに行こうと思うと言うと、ディーラーの担当者が「自分が行ってきます」ということになった。

 後日、ディーラーの担当者から聞いた話。
山口まで車を取りに行くのだから山口から福岡までのレッカー移動料は差し引いてくれと言ったら、それは規定上できないという一本槍で話にならなかったとのこと。
我々が一生懸命にやっているのにBMWジャパンが我々の足を引っ張ってどうするのか、とディーラーの担当者も憤懣やるかたなかった。
「仕事にならない件で1日ムダにさせて申し訳ないね」
 ついこちらも担当者に同情してしまった。

 緊急時にもBMWエマージェンシーには電話すべきでも、利用すべきでもない。
JAFに連絡した方がよほどマシだ。
自動車保険に入っていれば、保険会社経由でJAFに連絡するのが一番。

車は買った後のサービスが問題!
前回も今回もBMWディーラーから買ったが、ディーラーから買う安心感はサービス。
それなのにBMWジャパンがそれを台無しにする対応をしていては話にもなんにもなりはしない。

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